ネスぺ勉強_STP
とは
STP(Spanning Tree Protocol/スパニングツリープロトコル)。業務で触る機会が無かったので、正直きちんと理解できていない。故に、ネスぺの過去門が解けない。きちっと理解しようと。で、頭を整理して出力する。
STPはループ状のL2ネットワークでループを防止するプロトコル。IEEE802.1Dで標準化。
ブリッジID
ブリッジIDはスイッチ自身のブリッジIDのこと。ブリッジIDは
- 2byte : ブリッジプライオリティ
- 6byte : MACアドレス
= 計8byteで構成されている。
STPでは、ブリッジIDの情報でスイッチを識別しており、ブリッジIDが最も小さい値のスイッチがルートブリッジと呼ばれ、ツリーの中心となる。
パスコスト
処理の流れ
- ループ構成をツリー状にするために、ツリー状の中心となるルートブリッジを選出する
・ 条件:ルートブリッジにはブリッジIDが最も小さいスイッチが選出される
・ フロー:STPが有効なスイッチはBPDUを送信する→BPDUにはブリッジIDが入っている→隣接スイッチから受信したBPDUのブリッジIDと自身のブリッジIDを比較→ブリッジプライオリティ値を比較→値が同じであればMACアドレスを比較→結果、ルートブリッジ選出
- 続いてルートポート(RP)を選出する ルートポートはルートブリッジに最も近いポートのこと。非ルートブリッジごとに1ポートがルートポートとなる。
・条件:ルートブリッジに至るパスコストが最も小さいこと(ルートブリッジに至るパスコストの合計値の事をルートコストと言う) パスコストは帯域幅で異なる。10Gbpsは2,1Gbpsは4,100Mbpsは19,10Mbpsは100。 ※ 各スイッチのルートポートのルートパスコスト→送信元ブリッジID→送信元ポート番号の順で比較
・フロー:ルートブリッチを起点にコストを計算していく。
- 続いて指定ポート(DP)の選出 指定ポートは各リンク(セグメント)でルートブリッジに最も近いポート。
<条件>
・ 各リンクごとに1ポートが指定ポート
・ ルートブリッジの全てのポートは必ず指定ポートになる
・指定ポートは「最も小さいルートパスコストのルートポートを持つスイッチ側のポート」が指定ポートになる
※ 各スイッチのルートポートのルートパスコストを比較→ルートパスコストが同じであればブリッジIDを比較
- 続いて非指定ポート(NDP)の選出 ルートポート、指定ポートにも選出されなかった残りのポートが非指定ポートとなる。いわば、データフレームは送受信されない(BPDUは受信する)ブロッキング状態のポート。
ポート状態
STPが有効なスイッチの起動時は次の順番でポート状態が遷移している。起動後すぐにフレームをフォワードするとループするから。
ブロッキング : BPDUの受信のみ行う状態 →最大エージ20秒
リスニング : BPDUを送受信し合い、各ポートの選出を行っている状態 →転送遅延15秒
ラーニング : 非指定ポートになれば即ブロッキングへ。MACアドレスを学習しているが、データ転送しない状態 →転送遅延15秒
フォワーディング : ポートが最終的にルートポートor指定ポートになった状態。フレーム転送開始。
コンバージェンス
STPは2秒毎にBPDUをルートスイッチから下流の非ルートブリッジに転送してツリー状で見ている。最大エージ20秒があるので、障害箇所で収束までの時間が異なる。
スパニングツリーのトポロジー: CST
VLAN数に関わらず、全体で1つのトポロジとなる。
PVST+
PVST+(Per-VLAN Spanning Tree Plus)と読む。VLAN単位で STP を構成/設定可能。したがい、VLAN10はSwitch1がルートブリッジであったり、VLAN20ではSwitch2がルートブリッジになる設定可能。
PVST+のブリッジIDは以下の通り。 ・ ブリッジプライオリティ : 4bit ・ 拡張システムID : 12bit ※ ここにVLAN情報が含まれる ・ MACアドレス : 48bit
PVST+のブリッジIDはブリッジプライオリティ+拡張システムIDの合計がプライオリティとなる。
今は、RSTP(Rapid PVST+)を使用するのが一般的。
RSTP
RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)はSTPの改良版プロトコル。IEEE802.1Dで標準化。
<STPとRSTPの違い>
・ 非指定ポート(NDP)ポートは存在しない
・ 代替ポートとバックアップポートが存在する
<特徴>
1. トポロジー変更発生でも数秒で以内でツリー再構成収束。
2. ツリーは、ルートブリッジ選出→ルートポート選出→指定ポート選出→代替ポート選出の順番で構成される
3. ポートの役割には、ルートポート・指定ポート・代替ポート・バックポートの4つが存在する
4. ポートの状態は、ディスカーティング・ラーニング・フォワーディングの3つのステータスが存在する
5. RSTPはSTPと下位互換性があり、RSTPモードのスイッチとSTPモードのスイッチを相互接続可能
6. RSTPはプロポーザル(提案)とアグリーメント(合意)メッセージをBPDUに含めてネゴシエーションする
<ポートの役割>
・ ルートポート : STPと同じ。RP(Root Port)
・ 指定ポート: STPと同じ。DP(Designated Port)
・ 代替ポート:ルートポートのバックアップ用のポート。ルートポートのリンクダウン時に即座にルートポートの役割を引き継ぎフォワーディングになる。代替ポートはルートポート指定ポートに選出されなかったポートなのでSTPでいう非指定(NDP)ポートとなる。AP(Alternate Port)
・ バックアップポート:指定ポートのバックアップとなるポート。指定ポートがリンクダウンした場合、即座に指定ポートの役割を引き継ぎ、フォワーディグになる。BP(Backup Port)